教育目的プロダクトのプロダクトオーナーの仕事

岡島です。こんにちは。

私はFDP(Future Design Project)のプロダクトオーナーをやってます。FDPは、社員の技術獲得を目的とした教育プロジェクトで、プロダクト作りを通じて、機械学習の実践的なスキルを獲得することがゴールです。

このブログでは、私がFDPで開発されるプロダクトのプロダクトオーナーとして、具体的にどんなことを考え、どんなことをしているのか、なるべくわかりやすく説明していくつもりです。

これまで開発してきたプロダクト

FDPは今年で二年目を迎えるのですが、これまでに、次のようなプロダクトを開発してきました。

  • 機械学習とARによる帽子着せ替えカメラアプリ
  • 機械学習で脇温度を推定する非接触型体温計(育てるAI検温)

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育てるAI検温

いずれのプロダクトも教育目的であり、「プロダクトが売れそうか」ではなく、「メンバーが何を学べるのか」を重視して、コンセプトや利用技術を選んでいます。

また、いずれのプロダクトもScrumを採用しており、今後開発するプロダクトもその予定です。

教育目的プロダクトならではの難しさ

実際にプロダクトオーナーを一年間やってきて感じたことは、教育目的のプロダクトは、バックログアイテムとその優先度や、プロダクトビジョン、プロダクトゴールの設定が意外に難しいということです。

フィーチャーとしての新規性や製品の完成度(品質)よりも、経験・獲得できる技術の内容を優先する必要がありますが、あまりにありきたりなスペックだと、メンバーのモチベーションも上がらず、結果的に教育効果を下げてしまうことになりかねません。

また、あまりに野心的な目標設定をしたり、メンバーにとって関心や面白みを感じられないテーマでもうまくありません。

プロダクトのビジョンやゴールに関しては、やはり「そもそも、私たちは、なぜこのような活動をしているのか?」という根源的な意義に立ち返って考えていく必要があります(※ 具体的な内容については、次回以降の記事で詳しく説明していく予定です)。

組織に知識を蓄積していくために

ちなみに、FDPは毎年メンバーが全員入れ替わるため、組織的に知識を蓄積していくような仕掛けが必要です。そこで私は、野中郁次郎先生らのSECIモデルを参考に、意識的に暗黙知と形式知が相互変換され、スパイラルに、より質の高い知識が広まっていくような取り組みを模索しています。

詳しくは、2022年1月5日~7日に開催された、Regional Scrum Gathering Tokyo 2022 にて発表させていただいた資料をご覧ください。

 

ではまた!